人間万事塞翁が馬

ことわざから学ぶ現代社会でのやり過ごし方

より確実を求める

占いなんかだと「当たるも八卦当たらぬも八卦」とか言われますが、仕事ではそうも言ってられません。
コンテンツ業界だと、何か作品を世に出したとき、売れるかどうかは大問題。
だからこそ、プロデューサーとかの人は「売れる」と思う作品を作ろうと四苦八苦するわけです。
流行を調べだり、心理学を駆使したり、市場調査をやってみたり。
でも、確実な方法はありません。
なので、既に人気のあるものを持ってくるのが確実です。
アニメの場合、古くからある手法が「人気漫画作品のアニメ化」ですね。
そもそも最初のTVアニメ自体コレですし。
その後は気鋭のクリエイター達がオリジナル作品を作るようになり、オリジナルと漫画原作の二本立ての時代がしばらく続きました。
アニメは集団作業で多くの人の手がかかります。
黎明期のように何でも作れば見てもらえた時代ならともかく、その後は一か八かの冒険はコスト的にも難しくなります。
このため、人気漫画作品への依存度は高くなっていきました。
ところで、人気漫画を作るにはどうすれば良いでしょう。
これも話は同じで、はっきりした方法はありません。
なので、同じ結論になります。
つまり、既に人気のあるものを持ってくるのが確実となる訳です。
では何処から持ってくるか。
一時は「昔話」とかからネタを持ってくるのが流行りましたね。
桃太郎とか西遊記とか。
その後、ラノベ(ライトノベル)の人気作を漫画化する流れが出来ました。
漫画はチームでの制作ですが、ラノベは作家一人・表紙/挿絵のイラストレータ一人の合計2名で出来てしまいます。
漫画のプロダクションよりずっと低コストなので、より大きな冒険が出来るため、新機軸の人気作も出やすいと言えます。
こうして、ラノベ原作の漫画、そしてそのアニメ化という流れが出来ます。
でも、近年、さらにその流れが進みました。
ラノベといえども、コストはゼロではありません。
そして、掲載誌の紙面には限りがあるため、載せる作品は編集部が厳選しなければなりません。
しかし、ドレを載せれば良いのか。 そう、全く同じ問題が残っていたのです。
そうしてラノベの原作提供元として注目されたのがネット小説です。
無料で読めるネット小説は今や巨大マーケットへと成長しています。
しかも、人気度を測る評価やランキングのシステムも備えており、市場調査もやりやすい。
ここなら、どんな冒険でも出来るので、編集者の予想もしなかった人気作が多数現れました。
こうして、最低限のコストで人気作を見つけ出せる環境が整ったのです。
ネット小説の人気作を書籍化、漫画化、そして勝ち残った大人気作をアニメ化。
今や新作アニメの半分はネット小説原作と言われていますね。

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